杉原紙を育む「杉原川」、千ヶ峰、岩座神の棚田を潤す「多田川」、松か井の水が集う扇状地である多可町加美区熊野部(くまのべ)。
古来より荘園として随一の米処として栄えてきました。
江戸時代中期には、悪政がしきりに行われ生野代官の年貢取り立てがきびしく、庄屋の夏梅太郎右衛門は、再三、代官にお願いしましたが一向に聞き入れられず逆にとらわれの身となり、この地において処刑されました。
時に明和元年(1764年)6月25日。以降、暴政は止み、村人達は安心して生活ができました。
彼を慕って小さな祠を建てましたが、彼の稀なる志を忘れることのないように有志が立ち上がり、明治44年7月20日にこの石碑を建立し後世に永く伝えています。